その3(平成19年10月31〜11月4日)
その1 その2 その4
FC2web
平成19年11月20日 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2度目の四国遍路その3 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ http://www.88shikokuhenro.jp/index.html |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
同行者さんから今年4月「その2」を終えたところで、次のようなコメントが有りました。「家の事情や膝をはじめ幾つかの身体事情を考えると早くからの予定を組むのが難しくなりました.。突然の出発になります。又、二度とはないと思うこの遍路旅は趣味を入れつつゆっくりとしたものに変えたいと思っています。次回からは自立して一人旅になります。遍路路をはずさないように慎重に最後まで楽しみたいと思っています。色々有難うございました。」。 私としてはもう少し後年にと思っていましたが、同行者さんにせがまれて始めた2度目の四国遍路です。さらに年内結願の要望に応えて、7月にも「その3」を予定していましたが、急ぐ必要がなくなりました。たまたま私は膀胱癌手術のため、6月入院することになり、予定通りであれば延期の詫びを入れなければならないところでした・・・。 しかし、急ぐ必要はなくなったものの、この度の納経帳や御宝印の白衣を、田舎で94歳で健在なお袋にプレゼントとすることにしたので、そうそうのんびりもできず、ANAの旅割りを確保しました。 一方同行者さんは、自由にいつでも行けると思っていたようですが、なかなか思うようにならなかったようで、私の企画に今まで通り乗ることになりました。だが、旅割りは間に合いません。夜行バスとなり、高知への到着が数時間違うので、先行することになり、私が何時追いつけるかと言うことになりました・・・。 10月31日 人身事故があったらしくJRが遅れて、前回の続き土佐久礼駅をスタートしたのは13:00でした。4時間で22km先の37番岩本寺は打てそうになかったが、とりあえず急ぐ。歩き出して菅笠を車内に置き忘れたのに気付いたが、あきらめざるを得ません。 七子峠の最後の急な階段を登った辺りで、先行の同行者さんからメールが入りました。私の宿泊予定の宿坊が休みとのこと、窪川町には民宿・旅館が何軒かあるのでそのうちの一軒に予約を入れてメールをすると、同行者さんも予定していた10余km先の温泉宿が満員で取れず、窪川町泊になったとのこと。別行動は初日だけで、翌日から実質同行となりました・・・。
ともあれ、寺には3分前に到着、納経をすませた後寺の売店で、へんろみち保存協力会今年発行の地図帳・菅笠と安産祈願のお守りを買いました。お守りは、私の旅立つ数日前次男の嫁さんが産み月2ヶ月前なのに出血があって病院へ行ったところ、安静が必要ということで入院したのでした。 末広旅館泊 ¥6.000 飲み物別途 11月1日 同行者さんとは門前で落ち合い二人旅が始まりました。 ★ 奥さんと連れ云はるるを釈明はいちいち面倒黙し聞き捨つ 今日は参拝する札所はありません。ひたすら国道56号線をたどる。僅かに遍路道として残るのは市野瀬遍路道でした。煉瓦造りの熊井隧道も遍路道で通過しましたが、トンネルが大昔にあったわけはないですよね・・・。 民宿みやこ泊 ¥6.000 11月2日 今日も足摺岬を目指して、参拝する札所はありません。 前回は3年前に乗った、四万十川の渡し船がなくなってしまったのは残念なことです。また、1.5kmほどの新伊豆田トンネルを潜りましたが、トンネルが出来る前の昔の遍路道は何処に消えてしまったのかと残念です。せめてもと、前回は避けてしまった大岐海岸の靴を脱いで渡れと書いてあった、徒渡りを楽しみにして行きました。が、流れが変わり一飛びで対岸に渡れてしまったのにはがっかりでした・・・。
民宿星空15:00着。爺さんが洗濯をしてくれたのは有り難かったのですが、夕食が17:00とは早すぎでした・・・。 民宿星空泊 ¥6.000 11月3日 前回は足摺岬の38番金剛福寺から、西側を大回りして月山神社・宿毛経由で39番延光寺に向かったが、今回は打戻りのため荷物を置いて行く。国道27号線沿いには所々遍路道が残っており、往時を偲ぶことが出来ました。 寺の1kmほど手前、桃の木谷橋を渡ったところに左に降るように表示がありました。前回は出口と錯覚して直進したまま遍路道に入ったと思いつつ、表示に従いました。後で地図をよく見ると、寺まで続く実線があります。私が前回たどった道ですが、私にはそちらの方がはるかに昔の遍路道に思えるのだが・・・何とも解せないでいます。 帰途以布利の海鮮食堂で、ビールを飲みながら喰った昼食が旨かったです・・・。 民宿安宿泊 Y6.000 11月4日 真念庵を参拝して三原村に入りました。成山集会所の直ぐ先に地図にない遍路道を発見しました。表示が出ていたので迷わずたどりました。地図には是非載せて欲しいものです。真念遍路道は、地図に平成15年復元と書いてある地蔵峠から先の山道が、本当に素晴らしい遍路道でした。
★ 地図に無き昔の道を見つけたり地図の間違ひもいくつも有りて 39番延光寺からの遍路道は、地図では民宿の先を右に行くようになっておりますが、間違いです。寺を出て直ぐ先を右に行くのが正解です。前回は分からず諦めたので今回は始めから注意していたところ、立派な道標を見つけることが出来ました。 上村BH泊 素泊まり¥4.000 11月5日 今日は松尾峠を越えていよいよ伊予の国の愛媛県に入ります。 今日の宿泊場所は距離的に手頃なところがなく、43kmの長い行程です。愛媛県に入って最初の札所40番観自在寺を打った後柏坂峠もあります。午後からは雨が予想されるので、朝6:00未だ暗い内に宿を出ました。宿毛駅前は再開発のため拓かれていますが、前日下見をしておいたので迷うことはありません。 観自在寺は1番霊山寺から最遠隔地だそうです。はるばると来たものと思いつつ、本堂内の売店で私は金剛杖を買いました。これまで同行者さんが自分の杖に蹴躓いたりして、使いあぐねていたので私がほとんど使っていました。が、いつの間にか5cmほど短くなり、使えるようになったようなので私は自前の杖を購入しました。 雨の柏坂峠越えはさしたる降りでなく幸いでした。 よしのや旅館泊 ¥6.300 11月6日 朝から小雨。国道56号線をたどると松尾トンネルに入ってしまいます。トンネル手前に遍路道がありました。好く整備されていました。登って降ると再び56号線。南伊予の中心都市宇和島に近づくに連れて交通量が激しいこと・・・。
ランチタイムに入ったクアホテルはゆっくりと落ち着けて好いところでした。何より700円のランチが値段の割に豪華でした。私はこのところ昼にはビールを飲んでいません。毎日寝酒用に買う3合の酒が余り、寝起きに少し飲んでもなお余ってボトルに入れて持っているのを飲んでいます。ケチケチ遍路旅です・・・。 41番龍光寺・42番仏木寺を打ちました。山沿いに高速道路がほぼ完成していて、前回とは驚く程景観に違いがありました。日中は止んでいた雨が再び降り出して、小雨の歯長峠越えとなりました。 大概無料の洗濯機がこの宿では200円でした。私は1日や2日洗濯などしなくても平気です。料金は無料でも自動ではなかったり、面倒であったりして、洗濯をしない日が10日間で3日有りました。全自動で自分でしたのが4日、残り3日が洗濯袋に入れて出せば宿でしてくれたのでした・・・。 民宿みやこ泊 ¥6.500 11月7日 43番明石寺を出ると地図は道が左右に分かれています。前回もそうでしたが、右へ行くつもりが左をたどっていました。解せないままに出口のところに地元の方がいたので聞いてみると、こちらから入って行く人の大方が戻ってくるとのこと。次に来る機会が有れば納経所で確認すべきと思います。 退屈な国道56号線に沿いつつ鳥坂峠越えで息抜きが出来ました。 大洲城を見つつ橋を渡ったところで昼食にして、今日の宿、新しい地図帳で当初予定の大瀬の館までは無理とわかり、内子に変更して新町荘を予約しました。古い地図帳では距離表示に誤りがあり、変更は想定内のことでしたが、次の宿泊地に想定外の変更が余儀なくなりました。 ★ 野宿など昔は覚悟の旅ならむ野宿者メッカの十夜が橋下 ★ 古めかしき屋根に魅せられ行き見れば造り昔の芝居小屋なり 橋の下には弘法大師が寝ていると言うことで、橋では杖を突いて渡ってはいけないと戒められています。その発祥の地十夜ヶ橋は野宿遍路者のメッカになっています。橋の下で、私は寝ている弘法大師の石像に向かって般若心経を唱えました。
宿の新町荘はこの旅では一番感じの良いところでした。近くに昔ながらの木造の歌舞伎座がありました。 素泊まり ¥4.500 11月8日 小田川・吉野川に沿って379号線、田渡川に沿って下坂場峠を越えて久万高原町に入りました。すなわち、鴇田峠越え遍路道です。途中44番大宝寺の宿坊を当てにして電話をすると休みでした。前回は体調が悪いのでと休眠中であった、3km程先の民宿和佐路に電話をしたがなかなか繋がりません。またも休みかと簡単に諦めたのが失敗でした。翌日の宿で和佐路泊の方が夕食時隣にいました・・・。 ともあれ、大宝寺を打った後町に戻って泊まることにしたのですが、翌日がやや強行軍となるので、下見として裏山を越え、トンネルを潜って戻りました。 予約の際、同行者さんは和佐路よりなお4km程先の古岩屋荘まで行こうと強気でした。最初の頃は足手まといになったら置いて行けとしきりに言っていたのに、変更はひたすら前進の積極的な発言が多くなりました。朝は出来るだけ早く出るようにしているので、午後2時を限度にその日の宿の予約の頃には、時間的に余裕が生じているせいでもあります。ともあれ、1度だけの遍路と言っていたことも、いろんな方に会っている内、どうやら覆りそうなムードです。 おもご旅館泊 ¥6.500 11月9日 45番岩屋寺をぐるりと回って国民宿舎古岩屋荘経由で往復約21km、宿に荷物を置いて行けたのが楽で助かりました。受け取った荷物の背中にずしりと重かったこと・・・。
岩屋寺の納経所では一昨日会った一人旅の娘さんと再会して写真を撮りました。今日の宿でもまた会うことになるのですが。三坂峠からの降りで、手押し車を押したおばあちゃんがすれ違いに蜜柑をくれました。自作の蜜柑とのこと。この旅では蜜柑・柿の接待をあちこちで受けました。 ★ 接待と取り立て特産柿蜜柑持たせくれたり食べつつ行けと 46番浄瑠璃寺を打ち宿に入る。三坂峠を降って最初の宿なので条件がよいのでしょう、遍路ばかりではないようでしたが、40人程で満員だったのにびっくりです。私たちは入り口が1ヶ所、トイレも1ヶ所の襖で2間に仕切る部屋が危うく取れたのでした・・・。 長珍屋泊 ¥6.825 11月10日 今日が最終日。47番八坂寺・48番西林寺・49番浄土寺・50番繁多寺・51番石手寺を打つ。最初は53番円明寺まで行く予定でしたが、一昨日の変更で51番で打ち止めとしました。ただし次回に都合良くJR三津浜駅まで行きました。同行者さんは夜行バスなので時間があり、予定通り53番まで行きます。コンビニでビールを買い本当に簡単な打ち上げをして分かれました。 2度目の四国遍路は「その4」で結願の予定です。同行者さんとは、来年3月末頃から4月上旬にかけて行こうと言うことになっています。が、スタート地点が違います。またまた私が何時追いつけるかと言うことに・・・追いつけないままになりそうかな・・・。 同行者より 一日の距離について行けそうもなく,個人的な理由で回数を増やしてと思っていたのですが,私事の日程がハッキリせずお約束も中々出来ませんでした.結果的にはご一緒させていただきました.それに一日目の予定が狂ってしまいその分よけいに雲峰さんにお世話になってしまいました. お蔭様でウロウロする事もなく楽しい旅ができました.感謝!! 38番の金剛福寺への路は長かったですね.気力と体力を一番使った気がします.海は本当に素晴らしい色でした.愛媛県に入ったときは嬉しかったですね.高知は長かった! 今回の旅でも多くの方にお会いし,ご一緒しながら沢山の話を聞いた事が思い出でしょうか. 83歳で初めて遍路に出て,86歳で2度目の遍路.少し乗り物の世話になりながらも番外編をすべて巡るとの事でした.凄いですね.ご主人を亡くされ北海道から年1回地道に続けている女性など多くの方との一期一会でした.そしてみかんと柿のお接待.特に熟れた柿は美味しかったですね.コスモス畑が至る所にあり綺麗・きれい!の連続でしたがそれだけ畑が耕されていないと言う事になります.又至る所で道路工事が行われ山に穴があけられ悲鳴を挙げていました.胸が痛みます.便利と破壊は裏表.毎回複雑な思いです.その中でも昔ながらの遍路道が残っているとホットとします.特に山道は数え切れない人々の足跡の上に私の足がのっていると思とオバンチックな気持ちになります. 何時までも残しておいて・・・と思いますが便利を享受している身ではあまり言えない. 一日の工程は私にとって長いものでした.前進志向では決してありません.迷惑を掛けない様にと精一杯でした.宿ではヘトヘトになっていました.寄り路はあきらめと言い聞かせました. この旅で新しく始めた事といえば宿に着いてから初めて何枚かのスケッチをデジカメとニラメッコで描いてみました.ホッとする時間でした.前から のんびりと楽しみながら が私の思いでしたが遍路では中々難しい事です.初心者で下手で時間がかかりますので迷惑をかけます.早く画けるのは当分先のことになりそうです.そうそう松山駅前のお風呂は安くて快適でした.本当にお世話になりました. |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||