その2
(平成19年3月31〜4月4日)
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平成19年4月16日

2度目の四国遍路その2

 
四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ
http://www.88shikokuhenro.jp/index.html

 

平成19年3月31日
浜松町より夜行バスに乗る。

4月1日
6:30徳島駅着。JR牟岐線にて前回の終点由岐駅下車。8;30スタート。11:00、桜祭りの23番薬王寺着。売店で頭陀袋と修め札を購入。門前の食堂にてうどんにビールの昼食。コンビニにて不要の物を自宅へ託送。

 

昔の遍路道は山道にしか残っていません。そんな山道を辿りつつ、牟岐の草鞋大師は小さな地蔵さんでした。また、古江トンネル越えの山道が遍路道、下って海岸線を200mばかり歩く・・・昔はこんな道ばかりと思うと、苦難のほどが知れて、平成遍路が如何にまがい物かが思い知らされる。民宿海山荘手前1kmで雨に降られる。
到着時刻17:05 距離31.6km。宿代5000円+ビール500÷2

4月2日雨のち曇り、出発時刻6:40
寒冷前線が居座っていて全国的に寒そう。四国は暖かい所と思っていたが、桜の開花で見る限り今年は東京の方が早かったようです。私は四国に来る前に自宅近くの桜の名所白山公園で、女房と2人の花見をしてきましたが、四国は未だ5分咲かな・・・。

徳島県と高知県の県境を越える。東洋町は原発廃棄物処理施設誘致問題で話題になっている所、たまたま、選挙戦のさなかで、まばらな聴衆を前に立会演説中の候補者の前を通り抜ける。食事所がなく小さなスーパーで買い物、庭先のベンチで済ます。

室戸岬に向かって右側山の、岬を回れど回れど同じような景色の海岸線をひたすら辿る。細長い集落の旧道と思われるところは迷わず辿ることにして・・・。
民宿徳増、到着時刻16:30 距離41.4km。宿代5000円+ビール500÷2

4月3日晴れ午後から強風、出発時刻6:55
24番最御崎寺、25番津照寺、26番金剛頂寺を打つ。11:00津照寺門前の食堂に早めに入って良かった。板前と女将2人の20席ばかりの食堂が、食事中にガイド案内の遍路さんで満席になってしまいました・・・。

 

たぬきの接待
私の記憶では金剛頂寺への山道にあったと思っていましたが、記憶違いで室戸市と奈半利町の境の中山峠にありました。「山道の木の枝に発泡スチロールの箱が吊ってあって、中にミニトマト入りのビニール袋が入っています。遍路さん遠慮なくどうぞと書いてあり、贈り主は「たぬき」とあります。金はいらないとも書いてあるが、100円硬貨が置いてあります。私も遊び心に100円玉を置いて1袋頂きました。」括弧内は前回の私の記録です・・・。
山郷旅館、到着時刻17:30 距離40.6km。宿代7400円+ビール600÷2

4月4日晴れ午後から強風、出発時刻6:50
27番神峰寺標高430m往復が今日の難所、元山屋の同行者の足取りは軽いのですが、私はついて行くのが大変でした。

安芸市内に入り昼食に入ったところが、たまたま三菱財閥の創始者岩崎弥太郎の生家だったようで、トイレの壁に書いてありました・・・。

安芸市から芸西村・夜須町にかけて、廃線の軌道跡を自転車道兼遍路道として歩かされたのに閉口しました。本日の宿ポケットハウス友遊の女将さんは地元の生まれで、大阪で暮らして、旦那の定年後地元に戻って遍路宿を経営しているとのことでしたが、子供時代遍路の行き倒れなど見聞きしたことがあると話してくれました。当然のことながら自転車道ではない遍路道があるとのこと、是非とも昔の道に遍路マークを付けるよう運動して欲しいと、私は夕食に飲みながら大いに懇願・力説したのでした・・・。
到着時刻17:00 距離39.5km。宿代6.300円+ビール500

4月5日晴れ、出発時刻6:30
28番大日寺、29番国分寺、30番善楽寺、31番竹林寺、32番禅師峰寺を打ちました。
田植えさなかののどかな田園風景の中を歩きました。時には覚え立ての般若心経を暗唱しながら。私はこれまでと変わらず、仏教への信心が特別にあるわけではないが、この度から他の遍路さんに見習って般若心経を唱えることにしています。つたないながらも唱えてみると何とはなく満足感が得られます・・・。

 

私は2度目の遍路ですが、新たに納経帳にサインと判衣に御宝印を頂いています。2つ有ってもと思うところですので、これを田舎で93歳で健在のお袋にプレゼントしようと思っています。年内の結願を予定しているが、お袋さん喜んでくれるかな・・・。
海老庄旅館、到着時刻17:20 距離39.5km。宿代5.300円+ビール500

4月6日晴れのち曇り、出発7:00瀬戸の渡し船7;30に乗る。
33番雪蹊寺、34番種間寺、35番清滝寺、36番青龍寺を打つ。
35番清滝寺は土佐市の山の中腹にあります。市の中心街をはずしてバイパスが出来ていました。平成の遍路標識はバイパスを通るようになっています。出来るだけ古い道をと思っている私にとっては不本意な案内です。

戻って市内の中華やさんで昼食にしましたが、以前に泊まった遍路宿の喜久屋さんの近くです。女将に聞くと、ばあさん1人で相変わらず頑張っているとのこと、何よりのことと思いました。

土佐大橋を打戻り潮浜荘泊。ここは老夫婦2人の経営で、ばあちゃんが洗濯までしてくれて、部屋に干してまでしてくれました。また、私だけが離れの別室で、外からの出入りに、急な階段を上り下りしなければならず、案内してくれながら、ばあちゃんは滑り落ちて3ヶ月も入院したと話してくれました。翌日精算するとそんな所で迷惑をかけたと言って、飲んだビール1本を只にしてくれたのには恐縮しました・・・。
到着時刻17:15 距離36.2km。宿代6.000円

4月7日雨のち曇り、出発時刻-----
今日の距離は、もう少し先まで行きたいところだが宿がなく、土佐久礼までの33.2kmの予定です。須崎の巨大な大阪セメントの前を通り、須崎市内に入って残り約13km。時刻は11:00前ですが早めの食事にと店に入り、宿の予約をしてもらう。宿の予約は同行者の役目と同行者は心得ています。前回は全行程とも同室でしたが、今回は初日を除いて別室になりました。初日、あまりにも大きな私のいびきに懲りたものと思います・・・。

ところで、予定していた宿が2軒とも満室で取れません。
野宿は出来ないので取れる所を取ってもらいましたが、7kmほど手前の民宿安和乃里に決まりました。宿で聞くところによると近隣の宿泊施設は大阪セメントの工事者で占拠されているとのこと、安和乃里も関係者でいっぱいでしたが、私たちは不測の事態に備えていた部屋に泊めてくれたのでした。

今日は同行者の誕生日、いささか飲もうと話していましたが、アキレス腱の膝の故障や肩凝りばかりでなく内臓にも疲れが出ているようで飲めないようです。なおさらのこと1人部屋での安眠が必要ですね・・・。

宿代6.300円+ビール500円を精算すると、ずっしり重いのし袋を接待で頂ました。開けてみると小銭が200円も入っていました。到着時刻16:00 距離26.2km。

4月8日晴れ、出発6:40
前夜の予定では七子峠越えのつもりで宿には朝食を頼んだので、早くに宿を出ましたが、予定を変更して土佐久礼から引き返すことにしました。時間はたっぷりあります。無料のガイド付きで高知城をゆっくり見物できました。日曜日で門前市が開かれていて楽しめたのも何よりでした・・・。
距離7.0km。高知空港17:00発 羽田空港18:15着

 

ともあれ・・・
遍路期間中ずぅ〜と満開の桜の花に歓迎されていました。花冷えで寒かったのですが、四国は二毛作で田植えが早いのでしょう、日に日に植田が広がっていく中、畦道を菅笠に金剛杖をつく己の影を踏みながら、何を考えるでもなく、自然に溶け込んでの遍路堪えられないものでした・・・。

同行者より
またまた大変お世話になりました. 出発前の長期予報では3日目から気温が上がるはずでしたが,予想に反して寒い日がつづきました. 東京では雪が降ったとのmailが入り日本中が翻弄されていました.

山桜と新緑にうっすらと染まり春を呼んでいる山の優しい色や鶯の鳴き声に慰められ,又飛び魚の跳ねる姿に思わず見とれたりで,変化のない海岸線・雨の中・強い風の中を無事終了することが出にました.春のお寺は桜と新緑で明るくて清々しい.つたない般若心経も終わりの頃は大分なれましたが心境の変化は大いに問題ありです.

8回目の83歳のおじいさんの一人旅,退職して遍路が終わるまで帰らないとのんびり旅のおじさん,一日20kmと決めて歩く人,仲良し二人ずれのおばさん,バックパックの人,一人旅の遍路の方など今回は多くの歩き遍路に出会いました.楽しい話を聞けました.

又,核廃棄で話題の東陽町,魚が取れないと漁業に出ない舟,作物が作られない畑や田んぼ,活気を感じない村々,そして多いい老人・・・など私には胸が痛む事も多くありました.
今回は年寄り夫婦経営の民宿が幾つか閉められていました.残念ですがこれからも増えそうな気がします.住人と遍路者(特に私は遊びなので)の思いは随分ずれているのかもしれません.それでも親切な民宿やお接待に出会い感謝でした.

 
のんびりと地元の方達と話をしたり、写生などしながらと言っていたね・・・

家の事情や膝をはじめ幾つかの身体事情を考えると早くからの予定を組むのが難しくなりました. 突然の出発になります.又,二度とはないと思うこの遍路旅は趣味を入れつつゆっくりとしたものに変えたいと思っています.次回からは自立して一人旅になります.遍路路をはずさないように慎重に最後まで楽しみたいと思っています.色々有難うございました.

次回の予定
私の2度目の四国遍路は、同行者さんの誘いに応じて始めたわけですが、同行者さんは体験を重ねるに従い自分にあった遍路方式を見つけたようで、次回から一人旅を表明されました。大変結構なことと思います。二人旅の楽しかった思い出もたくさんあり、最後まで一緒に回りたかったが、思惑が違えば仕方ないことですね・・・。

私は、最後まで同行の予定で、同行者さんの年内結願希望の元に、次回は7月に松山までの予定を組んで提示しましたが、別行動と有ればこのところ過密スケジュールでも有り、急ぐ必要はないので、梅雨時を避けて秋頃まで延期の予定です。

2年前には1日50kmの日も何日かあったのに、40kmでも厳しくなってしまったのは歳ですね。私ももっとゆっくりの旅が出来るように見直す予定です・・・。


2度目の四国遍路その2実績表

 331
 41

浜松町より夜行バス。 21:10発 41630徳島駅着。
JR牟岐線にて前回の終点由岐駅下車。830スタート。

月 日

行程

経路

距離

到着時間

宿

41

11.9
9.7

23薬王寺

山座峠草鞋大師

 
31.6

 
1700

 
海山荘

42

41.4

 

 

41.4

 

民宿徳増

43

11.8
6.5
3.8
18.5

24最御崎寺
25津照寺
26番金剛頂寺

 




40.6

 




山郷旅館

44

10.5
29.0

27番神峰寺

 


39.5

 

 
民宿友遊

45

8.5
6.5
6.9
6.6
5.7
4.3

28大日寺
29国分寺
30善楽寺
31竹林寺
32禅師峰寺

 






39.5

 






海老庄旅館

46

3.2
6.3
9.8
13.9
3.0

33雪蹊寺
34種間寺
35清滝寺
36青龍寺

渡し船

塚地峠
宇佐大橋





36.2

 






潮浜荘

47

26.2

 

 

26.2

 

安和乃里

48

7.0

(土佐久礼駅)

焼坂峠

 

840

 

 

高知空港1700発 羽田空港1815



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