平成16年5月22〜28日
その1 その3 その4
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5番地蔵寺の納経所にて身支度を調える


鶴岡100kmマラソン ジャーナルへの投稿記(6月2日)


 ジャーナル4052号、田栗さんのバイクで四国遍路と菊地さんのコメントに誘われて出てきました。実は歩き遍路をしてつい数日前に帰宅したばかりでして・・・。

 私にとって歩き遍路は、ジャーニーランの東海道53次や塩の道・ウラエゾ(納沙布岬〜宗谷岬)などと同じく、興味本位の延長線で、寺では無頓着にも般若心経を唱えるでもなく、単に手を合わせてお参りするだけのインチキなものでしたが、恰好だけは白衣(おいずる)に輪袈裟を掛け、頭陀袋を下げ、菅笠を被り、金剛杖を突く姿は一人前です。納経所ではこれぞ主目的に納経帳に朱印・揮毫を頂き(300円)、もう一つの白衣に御宝印(200円)を頂いて参りました。満願の白衣は冥土の旅への晴れ着になるそうです。

 寺の開門は7:00、閉門17:00です。寺に到着すると先ず手を洗い、本堂・大師堂それぞれにてろうそくを灯し、線香を立て、納札を入れ、読経するのが一般的なしきたりなようです。これだけで15〜20分要するところを、私は納札を入れて手を合わすだけで納経所に進みました。納経所では納経帳に揮毫や判衣に御宝印を頂くのですが、団体客とかち合ったりすると時間が掛かります。団体客はガイドがまとめて数十人分も持ってきているのですが、歩き遍路には寺側で割り込みをさせてくれることがしばしばあって、私は比較的順調に距離を稼ぐことが出来ました。

 宿の予約は午後2時頃までにはしなければなりませんが、このごろは公衆電話がなかなか見つかりません。ましてや山道では当てに出来ないので、急遽携帯電話を買って持って行きました。手のひらに乗る携帯電話なのに、何とも豊富な機能に驚嘆しつつも覚えられず、とりあえず私は発信だけをマスターして出かけました。

 私の行程は異常な速さだと言われますが、お参りを略しただけでなく、効率よく廻れたのも携帯電話があったからこそと思っています。いずれは己の掲示板に、その日の報告が出来るようになりたいと思いつつ。

 実際は結果として次のような日程でした。
 5月22日朝夜行バスにてJR徳島駅着。バスに乗り継ぎ前回打ち止めの5番地蔵寺よりスタート。(1番霊山寺から5番は2月の鳴門マラニックの折りに遍路済)6番安楽寺7番十楽寺8番熊谷寺9番法輪寺10番切幡寺11番藤井寺にて15:30、初日につき無理せず打ち止め。門前のふじや泊。26.2km(門前の茶店つたやで「四国遍路ひとり歩き同行二人」地図編の新刊を買う)

 23日、6:25スタート。遍路転がしといわれる難所を経て12番焼山寺に9:45到着後、一般には13番大日寺に至る前に宿泊の所を、私は14番常楽寺15番国分寺16番観音寺17番井戸寺を閉門17:00少し前に済ませて、民宿松本屋泊。40.4km

 24日、6:50スタート。18番恩山寺19番立江寺を打ち、標高差500mほどを登り降りする20番鶴林寺と21番太龍寺を打ち22番平等寺脇の宿山茶花に18:15着泊。51.5km (宿で会った海月さんのサイト。携帯電話でこんなことができるのかと感心しつつ、携帯を持ったばかりの私は帰宅後毎日見ていました。7月8日追記)

 25日、7:00平等寺スタート、海岸沿いに23番薬王寺。その後室戸岬の24番最御崎寺まで75kmを途中海部町の大安食堂に17:40着泊。51.2km

 26日、6:00スタート。本日の参拝は24番最御崎寺1ヶ寺のみ。25番津照寺の麓太田旅館17:30着泊。54.2km

 27日、7:00津照寺スタート。26番金剛頂寺27番神峯寺を打ち安芸市内の山登家旅館17:40着泊。42.6km

 28日、6:00スタート。28番大日寺29番国分寺30番善楽寺を打ち終えて、土佐一宮駅15:40の電車で高知駅に向かう。40km 当日の東京行き夜行バスは満席で、仕方なく名古屋までの夜行バスに乗り、新幹線に乗り継いで29日午前中に帰宅。

 7日間とも快晴で半袖姿の私は真っ赤に日焼けしてしまい、火ぶくれで痛く遅まきながら6日目から長袖にしました。毎日暑かったので昼食時のビール、夜食のビール1本のうまかったこと・・・。もちろんそれだけでは足りず、毎日寝酒にカップ酒2合飲んで爆睡、おかげで疲労は快復して翌日元気に出発できました。

 宿は宿坊に泊まる機会がなく、民宿と旅館でしたが何処も2食付き6500円前後でした。歩き遍路はもう閑散期に入ったのかいつも2・3人で、私だけの日が2ヶ所も有りました。宿では当然の如く洗濯機を無料で使わせてくれます。使い方の分からない私でしたが親切に教えてくれました。

 山道では金剛杖が大いに役立ちました。子連れの野犬に遭った時も持っているだけで安心して前進できました。野道でも長いのに2・3度遭いましたが杖が頼りでした。そんな大事なもの、宿に着くと洗って床の間へ置くように勧められました。

 現代の遍路道は車道と一緒になっている所が多く味気ないのですが、トンネルを潜れば5・6分の所を、昔の遍路道を見つけて山へ登り、下って浜へ出たことがあります。浜を200mほど歩いて車道に出たのですが浜の歩きにくいこと、2・30分かかってしまいました。昔はこんな所ばかりだったかと思えば、遍路も大変なことだったと思うことしきりです。

 各地に歩き遍路の休憩所があります。車遍路が多くなってしまった現在、伝統的な歩き遍路者の増加が期待されているように思います。呼び止められて立ち止まると、婦人会と思われる方達の茶菓子の接待です。14:00頃だったと思うが、今日はまだ3人目だと言って待ち受けていたようです。

 山道の木の枝に発泡スチロールの箱が吊ってあって、中にミニトマト入りのビニール袋が入っています。遍路さん遠慮なくどうぞと書いてあり、贈り主は「たぬき」とあります。金はいらないとも書いてあるが、100円硬貨が置いてあります。私も遊び心に100円玉を置いて1袋頂きました。

 四国は田植えが終わって緑が一面に、空気が澄んでさわやかでした。いくつも川を渡りましたが何処も護岸工事がしてなく、自然の流れは水量豊かに濁りのないのが慰みでした。次は秋の予定ですが、千年の歴史を刻む空海と二人遍路、皆さんもいかがですか。

 お勧めの資料は「へんろみち保存協力会」発行の「四国遍路ひとり歩き同行二人」地図編と別冊、2冊で3500円です。地図編には宿泊所の一覧表も載っており、これ1冊持って歩けば万全と思いますが、地図編(2500円)のみ今年4月、7年ぶりに刷新されて大変見やすくなりました。お求めの方は協力会の電話番号を記しておきますのでお尋ねください。089-952-3820

 
四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ
http://www.88shikokuhenro.jp/index.html

 
6番 安楽寺(あんらくじ)
7番 十楽寺(じゅうらくじ)
8番 熊谷寺(くまだにじ)
9番 法輪寺(ほうりんじ)
10番 切幡寺(きりはたじ)
 11番 藤井寺(ふじいでら)
  12番 焼山寺(しょうさんじ)
 13番 大日寺(だいにちじ) 
 14番 常楽寺(じょうらくじ)
  15番 国分寺(こくぶんじ)
  16番 観音寺(かんおんじ)
 17番 井戸寺(いどじ) 
  18番 恩山寺(おんざんじ)
19番 立江寺(たつえじ)  
  20番 鶴林寺(かくりんじ)
  21番 太龍寺(たいりゅうじ)
 22番 平等寺(びょうどうじ)
 23番 薬王寺(やくおうじ)
 23番薬王寺・24番最御崎寺間75km
24番 最御崎寺(ほつみさきじ) 
 25番 津照寺(しんしょうじ)
26番 金剛頂寺(こんごうちょうじ)
27番 神峯寺(こうのみねじ)
28番 大日寺(だいにちじ)
29番 国分寺(こくぶんじ)
30番 善楽寺(ぜんらくじ)

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